春秋山伏記プロジェクト
作者・藤沢周平さんが『春秋山伏記』に込めた故郷・山形県庄内地方への熱い想い。
その想いに共感した庄内地方出身のプロの俳優、表現者たちが、佐藤輝の呼びかけに応えて集まり、自らの庄内弁を駆使して『春秋山伏記』をレベル高く舞台化し、語り継ぎ、東京から広く発信するプロジェクトです。
メンバー (所属)
佐藤 輝 (オフィス天童)
白幡 大介 (劇団文化座)
渋谷 宏美 (キャンパスシネマ)
山本 与志恵 (劇団青年座)
斎藤 志郎 (文学座)
大場 圭祐 (演技集団 朗)
土井 かつ惠 (フリー)
阿部 裕見子 (オフィス天童)
佐々木 亜希子 (ワイ・プランニング)
菅原 司 (フリー)
松島 邦 (フリー)
アドバイザー
佐高 信 (評論家)
応援団長
木村 隆 (演劇評論家)
事務局 (制作)
天童 真理子 (オフィス天童)
プロジェクトメンバー、サポーターを募っています。
問い合わせ オフィス天童 メール
公演情報
2022.11.4(金)〜6(日)
開演時間 4日19:00 5日13:00 18:00 6日 13:00
神楽坂・THEGLEE
春秋山伏記プロジェクト第2回舞台公演
藤沢周平
春秋山伏記
狐の足あと
藤沢周平「狐の足あと」(新潮文庫『春秋山伏記』所収)
出演/ 佐藤 輝 斎藤 志郎 大場 圭祐 菅原 司
渋谷 宏美 佐々木 亜希子 白幡
大介
ピアノ演奏/ 上田 亨
構成・演出/佐藤 輝 音楽/上田 亨 ステージング/神崎 由布子
衣裳/竹林 正人 宣伝美術/COME-LAB 制作/天童 真理子
後援/山形県
協力/出羽三山神社 藤沢周平事務所 鶴岡市立藤沢周平記念館
大好評「験試し」に続く第2弾!!
「狐の足あと」
「狐は人恋しくて寄ってくるって言うさげの。
さきえちゃん、ええ女子ださげ、のぞきさ来たかの。
それとも、だだが目あてで、女狐が来たか」
「ばかこけ」
と広太は言って、顎をなでた。
『春秋山伏記』より
藤沢周平のミステリー
足あとは どこへつづくのか‥‥
藤沢周平『春秋山伏記』
村の神社の別当として羽黒山から遣わされて定住した若き里山伏•大鷲坊(たいしゅうぼう)と村人たちとの交流を、庄内地方の美しい四季の変化を背景に心暖まるヒューマンなタッチで描いた作品。江戸時代後期の農村の日常が舞台であり、そこで暮らしている村人の誰彼が主人公の異色時代小説。サスペンスに艶笑譚も織り込んで、逞しくユーモラスな人間模様が生き生きと描かれる。「験試し」「狐の足あと」「火の家」「安蔵の嫁」「人攫い」の5編からなる。作者が特に庄内弁にこだわって、庄内地方の風土と庄内人の心情を描いた物語。
狐の足あと
ほろ酔いの藤助は深夜の月の光の中で見た。遠国へ出稼ぎに行っているはずの広太の家の戸口にちらちらと灯がまたたき、ふっと灯が消えた後、戸口の前に黒い影がちらと動いたのを。
四、五回霰が降り続いたあと、厚く雪が積もった翌日、肝煎弥兵衛から大鷲坊に「すぐに家まで来てくれ」との使いがやって来た。弥兵衛宅奥座敷で待っていたのは弥兵衛と添役の多三郎、それに多三郎の息子の宗助だった。「内密の話ていうと、何ですかの」大鷲坊が訊ねた。「じつは、えらいことが持ちゃがっての」と弥兵衛は言った。
昭和53年『春秋山伏記』に出会って、この物語は、永遠に、庄内の風土、人々の人情や暮らしをつぶさに語り継ぐ庄内風土記だと感動して以来、舞台で表現したいと、ずうっと思い続けてきました。その実現に向けてプロジェクトを呼びかけ、メンバー皆さんの参加をいただきました。心から感謝しております。
佐藤 輝
春秋山伏記プロジェクト
作者が『春秋山伏記』に込めた故郷・山形県庄内地方への熱い想い。
その想いに共感した庄内地方出身のプロの俳優、表現者たちが、佐藤輝の呼びかけに応えて集まり、自らの庄内弁を駆使して『春秋山伏記』をレベル高く舞台化し、語り継ぎ、東京から広く発信するプロジェクトです。
未来へつながるプロジェクトです。
プロジェクトメンバー、応援団サポーターを募っています。
問い合わせ オフィス天童 メール
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藤沢周平さん『小説の周辺』 魯迅文学賞に
藤沢周平さんのエッセイ集『小説の周辺』中国翻訳版が、中国で最も栄誉ある文学賞とされる「魯迅文学賞」の翻訳文学部門に決まったと、文芸春秋社から発表されました。
この賞を日本人作家が受賞されるのは、2007年の大江健三郎さんの小説『さようなら、私の本よ!』以来二人目とのことです。
同賞の選考委員は「滑らかな語り口のうちに穏やかさと知恵が満ちている。翻訳者・竺祖慈氏の熟練した訳筆は真に迫り、原著者と同じような心境に至ったのであろう」と評しています。
『小説の周辺』は、自身を語ることは稀だった藤沢周平さんが、郷里・鶴岡での幼年時代、師や友との交流、創作の秘話など、人生の折々の忘れ得ぬ情景を綴った滋味深いエッセイ集です。
藤沢周平さんの日々感じ思うことを、とても繊細に、言葉そのものが輝いて揺れて語ってくれています。一言一言に頷きながら深く味わえる素晴らしい世界です。
『春秋山伏記』を形作っている藤沢周平さんの細やかな目線と重なる、とても素敵なエッセイ集。
藤沢周平さんの世界が国際的にも更に大きく広がったことを、心から嬉しく思います。
お祝い申し上げます。
2022.9.14 春秋山伏記プロジェクト 佐藤 輝
8月7日 全員参加稽古
8月3日から 稽古始まる
【舞台写真】撮影・天童真理子
春秋山伏記プロジェクト第1回舞台公演
藤沢周平 春秋山伏記 験試し
藤沢周平「験試し」(新潮文庫『春秋山伏記』所収)
出演/ 白幡 大介 渋谷 宏美 大場 圭祐 ・ 佐藤 輝
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【訂正】春秋山伏記プロジェクトメンバーに佐々木亜希子さんの氏名が掲載されておりませんでした。お詫びいたします。
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公演情報
2021.10.22(金)〜24(日)
開演時間 22日19:00 23日14:00 19:00 24日 13:00
神楽坂・THEGLEE
春秋山伏記プロジェクト第1回舞台公演
藤沢周平
春秋山伏記
験試し 藤沢周平「験試し」(新潮文庫『春秋山伏記』所収)
出演/ 白幡 大介 渋谷 宏美 大場 圭祐 ・ 佐藤 輝
構成・演出/佐藤 輝 音楽・演奏/上田 亨 ステージング/神崎 由布子
衣裳/竹林 正人 宣伝美術/COME-LAB 制作/天童 真理子
後援/山形県
協力/出羽三山神社 藤沢周平事務所 鶴岡市立藤沢周平記念館
「稲を見ろ」
大鷲坊は、大声で背中のおきくに話しかけていた。
「きれいだろうが。稲はなして(なぜ)きれいだか。命があって、生ぎているさげ、きれいだ。わかるがの? 稲だって、一所けんめい生ぎださげ、こうして稔って、きれいに光るようになった」
「・・・・・・」
「おきぐも、これがら稔らねばの。そのうち、この稲みてえに、光るようになるぞ」
『春秋山伏記』より
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